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大学別「入試に出た天声人語」

覇気に欠ける日本の若者

青春とは人生のある時期をいうのではなく、心のあり方をいうのだ、と言われる。よく似た意味で、老人には三つのタイプがあるとも言われる。すなわち、まだまだ若い人、昔は若かった人、そして一度も若かったことのない人▼いまの若者は、老いて、どのタイプになるのだろう。財団法人「日本青少年研究所」などが日米中韓の4国の高校生を調べたら、いま一つ覇気に欠ける日本の若者像が浮かび上がった。「偉くなりたい」は他国の約3分の1。逆に「のんびり暮らしたい」は43%と他の14〜22%を断然、引き離していた▼情けないと嘆く人、それも良しと肯(うなず)く人、考え込んでしまう人。感慨はそれぞれだろう。クラーク博士の「青年よ大志を抱け」は死語になったかと、ため息をつく人がいるかもしれない▼調査ではまた、「自分の会社や店を作りたい」が他の半分以下に沈む一方、「多少退屈でも平穏な生涯を送りたい」は上回った。立身出世に血道を上げることもないけれど、若くして閑居を望む声が多いのはどうしてなのかなあ▼「青年は決して安全な株を買うな」と言ったのは、フランスの詩人コクトーである。作家の沢木耕太郎さんは、生命保険に加入したときに人は青年時代を終える、と書いている。向こう見ずは青年の美徳、とまで言うと、少し言葉が過ぎるだろうか▼調査をした団体によれば、学級委員でさえ最近はなり手が減っているそうだ。「いまどきの若者は……」と言いかけた口をつぐんで、そっと不安をのみ込むことにする。

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