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大学別「入試に出た天声人語」

東海道新幹線・車内販売、努力と笑顔で売り上げ3倍

徳渕真利子さんが、東海道新幹線の車内販売のアルバイトを始めたのは、昨年1月だった。制服姿の写真を求人雑誌で見て、やってみたいと思った。父親の転勤で引っ越しが多く、何度も乗った新幹線が好きだった▼12月には正社員に登用された。平均の3倍近い売り上げを記録したからだ。昨年度の売り上げは、社員とバイトを含め約400人いる東京オフィスで1位だった。ルーキーでMVPといっても過言ではなかろう。経験10年の指導係も驚く活躍だった▼まだ22歳。童顔で、10代といっても不思議ではない。なぜ、そんなに売れるのか。いろいろ聞いてみると、努力と笑顔らしい▼通常の勤務は、1日に東京・新大阪間を1往復か1往復半。のぞみの場合、5人で16両を分担する。天候や時間帯など様々な条件で売れ筋が異なる。コーヒーか、弁当か、ビールか。一度回った時点で売れそうなものを見極め、ワゴンの目立つ所に置く。1人ずつ客の目を見ながら、ゆっくり歩くのがポイントだ。ほほ笑みを欠かさず、丹念に何度も回る▼お盆休みは家族連れで混雑する時期だ。10人以上通路に立っていると、ワゴン販売は中止し、トレーに商品を載せて回る。昨年の経験では、圧倒的に売れたのはアイスクリーム。子どもにもお年寄りにも売れるという。ビールはお父さんが家族にとめられて、あまり売れない。帰省先へのみやげを用意していない人も意外に多く、車内でよく売れるそうだ▼「お客様のじゃまにならないよう、役に立てれば」。頭の中は仕事のことばかりだという。

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