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大ヒ熊教授の実力テスト

クマでもわかる!小論文講座 解答と解説

解答作成のツボ

少年法の改正に対する筆者の意見を正確に読み取り、少年法のあり方について、自分の意見を述べること。

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出題のねらい

ねらい

少年犯罪の低年齢化を受けて、少年法が改正された。改正内容は、刑事責任を問える年齢を引き下げるなど、厳罰化に向かうものであるが、それで少年犯罪の減少や罪を犯した少年の更生につながるのかという議論がある。少年を保護し更生させるという本来の目的を踏まえて、少年法のあり方を考えて欲しいクマ。

出題者が要求していること

ポイントは次の2点。

(1)資料文を把握する…
記事から、少年法がどのように改正されるのかと、それに対する筆者の意見を正確に読み取る。
(2)自分の意見を述べる…
記事の内容を踏まえて、少年法のあり方について、自分の意見を述べる。

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解答までの考え方

記事の論点をつかもう

少年法がどのように改正されるのか、それに対して筆者はどのように考えているのかを記事から正確に読み取る。ポイントを整理すると次のようになるクマ。

<少年法の改正内容>

  • 家庭裁判所が必要と判断すれば、「おおむね12歳以上」を少年院に送ることができる。
  • 刑事責任を問えない少年に対しても、警察官の調査権限を強め、家宅捜索して盗品などを押収できる。

<筆者の指摘する少年法改正の問題点>

  • 小学5、6年生でも少年院に収容されるケースが出てくるが、接し方も指導法も異なる小学生を中高生らといっしょに収容して、きちんと矯正や教育ができるとは思えない。
  • 事実と動機の解明に警察の役割は大切だが、警察の権限を強めれば足りるというものではない。警察は少年の心を開かせる専門家ではない。

<少年法改正に対する筆者の提言>

  • 小学生はこれまで通り自立支援施設で教育し、少年院の対象は「中学生以上」に限った方がいい。
  • 少年は威圧に従いやすく、暗示にかかりやすいため、警察官による質問の段階から少年に弁護士らを付き添わせたり、やりとりを録画したりすることの義務化を検討するべきである。
解答作成上のツボを押さえよう

「少年の健全な育成を期し、非行のある少年に対して性格の矯正及び環境の調整に関する保護処分を行うとともに…」という少年法の本来の目的を踏まえて、どのように少年の「矯正・教育・更生」と「罰則」のバランスをとるかを考えよう。特に筆者の意見に賛成 する場合は、小学生に刑事責任を問うことに慎重であるべき理由を自分なりの視点で考察し、説得力を高める必要があるクマ。

自分の意見をまとめよう

少年法改正が目指す方向に対する自分の考えを整理し、今後の少年法のあり方を提言しよう。解答の方向性としては、大きく分けて次の2つが考えられる。

  • まだ保護すべき対象である小学生に対して罰則や自己責任を強く求める方向ではなく、あくまでも少年の矯正教育を原点としたものであるべきだ。(筆者と同意見)
  • 矯正教育という少年法の目的は不変だが、犯罪の低年齢化という現実に対応するためには、小学生に対しても法律で罰則を規定する必要がある。(筆者の意見に反論)

解答例は、「少年法の本来の目的は、罪を犯した少年に矯正教育を施して、社会復帰をさせることにある。少年法は罰則を厳しくするという方向性ではなく、どのように少年を保護し、効果的に矯正教育を行うかを規定する法律とするべきである。」という論だクマ。

違う視点で解答をまとめる場合は

少年法の目的を押さえた上で、たとえ小学生でも凶悪な犯罪の場合は拘束力を強めて徹底した矯正を図ることも必要だという主張も可能である。その根拠としては記事にも述べられている凶悪犯罪の低年齢化や自立支援施設の限界といった現実的問題に踏み込んで考察する必要がある。また、その際にも子どもの人権を配慮し、例えば、少年院に小学部を創設し、専門家によるきめ細かな指導を行うべきだといった具体的な提案も必要だクマ。

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解答例

少年法の目的は、非行や罪を犯した少年に矯正教育を施して更生させ、社会復帰をさせることにある。「おおむね12歳以上」を少年院に送ることができるようにする、刑事責任を問えない少年に対しても警察官の調査権限を強める、という今回の改正の方向性は、その目的にそぐわないのではないだろうか。

記事によると、今回の改正のきっかけは自立支援施設の問題や凶悪犯罪の低年齢化にあるという。しかし、これを理由として罰則や拘束力の強化を行い、小学生にまで刑事責任を問うというのは、あまりにも安易であろう。小学生はまだ保護すべき対象であって、自分の行動のすべてに責任を負わせることはできないと考える。少年法の目的から考えれば、むしろ自立支援施設そのものの運用方法を改善すべきである。また、筆者が指摘しているように、警察の権限を強化すれば解決するというものでもない。運用に当たっては、少年を威圧したりすることのないよう、歯止めとなる規定や十分な配慮が必要である。

人間が罪を犯す時には、その人を取り囲む経済的、社会的、教育的要因などが複合的に絡み合っている。それが、自己管理や自己意識にまだまだ乏しい小学生であればなおさらであろう。罪を犯す子どもには本人にも環境にも重大な問題が潜んでいるはずである。子どもには、専門家やしっかりとした大人が寄り添って矯正に努めることが必要であり、少年法はそのためのシステムを確立することに努めるべきである。

少年法で刑事責任を問う対象年齢をこれ以上引き下げたり、罰則をさらに厳しくしたりすることで問題は解決しないし、少年法の本来の目的からもはずれると考える。少年法は、罰則を厳しくするという方向性ではなく、どのように少年を保護し、効果的に矯正教育を行うかを規定する法律とし、そのように運用されるべきである。

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