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『朝日新聞』07年6月4日付 「地方の税収格差、難問 都市に偏る税源、交付税減で財政難」より今年4月、佐賀市内を人目を引くごみ収集車が走り始めた。側面には、大きな企業広告。1台当たり、年間6万円の収入。年40万円の維持費にも足りないが、市の担当者は「財政が厳しいので、わずかでも収入を増やす努力はしないと」。
同市は、指定ごみ袋にも広告を載せ、年間60万円の収入を生んでいる。昨年度から収集車1台に乗る作業員を3人から2人に減らすなどして、経費も切りつめている。
多くの自治体が住民サービスを維持するため、収入確保に知恵を絞っている。一方、大都市圏では「サービス競争」ともいえる状況がみられる。
東京都内では、多くの区で中学生までの医療費が無料。千代田区では国の児童手当に上乗せし、対象を妊娠15週目から高校生まで広げた。国と違い所得制限もない。
石川雅己区長は「今は行政サービスを調べて、住まいを選ぶのが当たり前。自治体間で施策を競い合うことが、国民全体の豊かさの底上げにつながる」と話す。
大都市と地方の行政サービスに開きがあるのは財政力を反映している。05年度の人口1人当たり地方税収は、最大の東京都と最小の沖縄県で3.2倍の開きがあった。03年度の2.9倍から差は広がり、その傾向は今も続いているとみられる。
主な原因は、地方法人2税(事業税、住民税)が景気回復で大きく伸びていることだ。従業員数などに応じて地域配分する仕組みのため、本社機能が集まる大都市圏の税収は大きく伸びるが、地方の恩恵は薄い。
ただ、90年代半ばには都道府県の税収格差は3.5倍前後あり、最近より大きかった。今、この問題が切実なのは、地方財政をとりまく状況が悪化しているためだ。
90年代以降、多くの自治体が国の景気対策に同調して公共事業などの歳出を増やし、借金を膨らませた。一方、国から財政力の弱い自治体に手厚く配分される地方交付税も、ピークの00年度に約21兆円あったのが、07年度は約15兆円まで減った。税源が少ない自治体は、税収増も国の助けも期待できない状況だ。
全国市長会が昨年末に全国の市・特別区を対象に行ったアンケート(回収率7割)では、02〜05年度に団体・個人への助成を縮小・廃止した自治体は75%、利用料・手数料などを値上げしたのは65%にのぼった。歳出削減は80%が「限界」「限界に近い」と答えた。