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大ヒ熊教授の実力テスト

クマでもわかる!小論文講座 解答と解説

解答作成のツボ

クローン動物食品の安全性についての米国の現状を踏まえて、科学技術の進展と食の安全について自分の考えを述べること。

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出題のねらい

ねらい

遺伝子組み換え食物やクローン動物食品など、最先端の科学技術を用いた食品に関しては、科学的に安全とされていても不安を感じる人も多い。「科学的な安全」が、消費者の「安心」につながらないのはなぜか、私たちはこのような食品をどう扱うべきかを考えて欲しいクマ。

出題者が要求していること

ポイントは次の2点。

(1)資料文を把握する…
クローン動物食品の安全性について、米国の現状を記事から正確に読み取る。
(2)自分の意見を述べる…
記事の内容を踏まえて、科学技術の進展と食の安全について自分の意見を述べる。

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解答までの考え方

記事の論点をつかもう

記事では、クローン動物食品の安全性をめぐる米国の現状が紹介されている。以下の点を読み取ろう。

  • 米食品医薬品局(FDA)は、体細胞クローン技術でつくった牛、豚、ヤギの肉と乳は「食べても安全」で、食品として利用する際も特別な表示は必要ないと報告した。しかし、国民は納得せず、クローン動物を使った食品に表示を義務づける「クローン食品表示法案」が議会に提出され、審議中である。
  • 消費者だけでなく消費の減少を危惧(きぐ)する乳業業界も反対しており、世論調査では、クローン動物食品は「危険」(43%)という回答が、「安全」(22%)のほぼ2倍に達した。
  • 年内には市場出荷解禁の結論が出る見通しだが、「安全」という科学的な評価が覆る可能性は低いとみられている。

体細胞クローン動物を使った食品は科学的に「安全」とされているが、米国民には信用されていないという点を押さえるクマ。

解答作成上のツボを押さえよう

記事で紹介されている体細胞クローン動物を使った食品をめぐる問題をヒントにして、食に関する先端科学技術について安全上の問題点や課題を整理しておこう。例えば次のような問題点・課題が挙げられるクマ。

  • 現在の科学的な知見からは「安全」であっても、その判断が将来までの完全な安全を保証するものとは言えないため、消費者の安全性に対する不安が消えない。
  • 遺伝子操作した食品や化学物質を用いて栽培した食品を、人間が世代を超えて摂取し続けた場合の影響は、科学的にも検証されていない。
  • 食物は人間の命に直接かかわるものであり、本来食品は自然の生命であるため、人工的に作られたものへの不安をぬぐい去ることができない。
  • 科学技術を使った食品を食べるかどうかが消費者の判断に委ねられた場合、正しく表示されるかどうか消費者の不信感がある。
  • 科学技術を用いた食品の製造・流通の過程で、安全管理やチェックがきちんと実施されるかどうか企業に対する消費者の不信感がある。
自分の意見をまとめよう

新しい科学技術の問題点や課題を自分なりの視点で考察しよう。そのうえで、先端科学技術を用いた食品については消費者の不安がぬぐえないという現状を踏まえて、私たちはこのような食品をどう扱うべきかを明確に提言しよう。

解答例は「新しい科学技術の食品への導入については、より大規模で長期的な調査研究を行って安全を証明し、生産・流通過程での安全管理を徹底することで消費者の不安を解消することが重要である。」という主張だクマ。

違う視点で解答をまとめる場合は

消費者の不安や懸念を無視して、「科学的に安全」なのであれば先端科学技術による食品を流通させればよいという意見は、説得力を持たないであろう。したがって、食品には、科学的な「安全」とともに、「安心」が求められるとして、食に関しては遺伝子操作などの科学技術の導入には慎重であるべきだという意見が考えられる。また、より詳細な検証が必要な技術もあるが、科学的な知見から安全が立証されたものに関しては、他の種々の事柄の安全性との比較データを伝えるなどして、人々が「安心」できるように広報する必要がある、という論も可能である。食料増産の必要性を述べて、こうした科学技術が不可欠であることを説明するといいクマ。

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解答例

科学技術が進歩し、遺伝子組み換え食物、ホルモン剤、クローン技術など、食品の生産性と品質の向上を可能とする技術が開発されている。米食品医薬品局はクローン動物食品の安全を報告したが、米国民の多くがその安全性を信じることができないでいる。米国産牛のBSE問題に対する日本の消費者の態度も同様なものであった。食品に関しては、単に「科学的に安全だ」と言うだけでは、私たち消費者の「安心」にはつながらないのである。

確かに、現時点では科学的に「安全」でも、数十年後の将来までの安全を確認できるものではない。当初は無害とされた添加物に発ガン性があることがわかったという例もある。さらに、遺伝子操作をしたものに関しては、人間が世代を超えて摂取し続けた場合の影響はまだわからないのも事実である。しかし、現在すでに食品に使用されている化学物質の影響も含めて、百パーセントの安全性を保証するのは不可能である。

地球全体での人口の増加や、バイオエネルギーの増産のための穀物価格の高騰など、今後の食料事情を考えると、バイオ技術を使った食品生産は必要な技術である。新しい科学技術を一切使用しないという選択は、現実には不可能であろう。したがって、最大限安全を確保しながら使っていくべきだと考える。もちろん、クローン動物を使った食品は口にしたくないという人々には、その意思が尊重されるよう、厳密な表示が必要になる。

新しい科学技術の食品への導入については、より大規模で長期的な調査研究を行って安全を証明し、生産・流通過程での安全管理を徹底することで消費者の不安を解消することが重要である。そのうえで、品質表示を厳密に行い、消費者の選択に任せるべきだと考える。

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