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大ヒ熊教授の実力テスト

クマでもわかる!小論文講座 今回の小論文

【問題】
次の記事を読み、フリーターの「高齢化」について、あなたの考えを800字以内で述べよ。

景気の回復や団塊世代の退職で、企業の採用意欲が高まっている。複数の会社から内定をもらうなど、バブル期を思い起こさせるような学生もいる。

そこで気になるのが、少し前の学生たちだ。学校を卒業した時期がバブル崩壊後の長期不況とぶつかり、「やむなく」あるいは「とりあえず」アルバイトやパートの仕事についた、いわゆるフリーターの若者が多い。

15歳から34歳のフリーターは92年に初めて100万人を突破し、02年には200万人の大台に乗った。この間、高校新卒者への求人は7分の1に激減した。

フリーターの数は03年にピークに達した後、減りつつあるが、25〜34歳がほぼ半数を占めて「高齢化」が進んでいる。フリーターになった若者がそのまま年を重ねている構図だ。

景気が上向いて、フリーターから正社員への道もこれまでよりは開けるだろう。だが、年をとればとるほど難しくなるのが現実だ。

そもそも企業は、フリーター歴のある若者を「根気がない」「責任感がない」などとマイナスに評価しがちだ。ましてや30代のフリーターを正社員に雇おうという企業はごくわずかだ。

将来、収入の増える見込みもなく、雇用の不安定な若者が増えることは、深刻な影響を社会にもたらす。結婚して家庭をもつなど夢のまた夢で、未婚率は上がり、今以上に少子化は進むだろう。若者が高齢者を支える社会保障システムにも重大な支障が出てくる。

政府は「若者自立・挑戦プラン」を掲げ、無業や不安定な仕事についている若者を対象に3年前から対策を立ててきた。今年の目標のひとつが、フリーター25万人の正社員化だ。

今後は、とくに「就職氷河期」と呼ばれた時期の波をかぶったフリーターに対する手厚い支援が求められる。職業訓練や資格取得の機会を優先的に用意するなど、きめ細かな対策が必要だ。

民間企業も積極的に取り組んでほしい。企業の業績が回復したのも、正社員の給与を抑える一方で、新卒の採用を抑制し、派遣社員やアルバイト、パートを雇うことで人件費を削ってきたからだ。業績回復の陰で割を食った若者に、再挑戦する機会を設けるのは、企業の社会的責任ではないか。

当人の意欲が欠かせないのは言うまでもない。だが、「卒業したら就職難だった」という運の悪さは極力修正したい。

障害者支援のNPO法人で正規職員として働く川崎市の杉田俊介さん(31)は、フリーター経験をもとに日本社会の行方を分析し、発言している。

杉田さんは「フリーターは親を最後のよりどころにしている。やがて親子ともに高齢化、貧困化していく。そのときに初めて本当の問題がむきだしになる」と予測する。

景気回復の明るさばかりに目をうばわれてはならない。

『朝日新聞』06年6月11日付 「社説」より

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