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大ヒ熊教授の実力テスト

クマでもわかる!小論文講座 解答と解説

解答作成のツボ

「全国学力テスト」を実施することについて、学校の教育力という視点から自分の考えを述べること。

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出題のねらい

ねらい

「全国学力テスト」を論じることを通して、テストは何のために行われるのか、学校教育の目的・役割とは何か、など教育の本質を考察して欲しいクマ。

出題者が要求していること

ポイントは次の2点。

(1)資料文を把握する…
筆者が「全国学力テスト」に対してどのような考えを持っているのかを読み取る。
(2)自分の意見を述べる…
記事を踏まえ、「全国学力テスト」を実施することについて自分の考えを述べる。

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解答までの考え方

記事の論点をつかもう

「全国学力テスト」について筆者が危惧(きぐ)している点と、学力テストはどうあるべきかという提言を読み取ろう。

<筆者が危惧している点>
  • 小6と中3のテストの結果のみが公表されると、到達点の格差だけが強調され、学校の質とは無関係の学校の序列化が固定される。それでは教育の質の向上は期待できない。
  • 学力の「結果」は分かっても、教育の効果を測り、学校を評価することは不可能である。結果だけでは、学校の「教育力」は分からない。
<筆者の提言>
  • 学校の「教育力」を測るために、調査は学力の変化に焦点を当てて設計し、テストは同じ子供に数年おきに実施すべきである。
  • 試験結果とともに、担当の教員の情報やクラスの大きさ、可能な限り教育の背景にある子供の家庭環境などの情報も収集すべきである。

筆者は、学校は何をどれだけ子供に付与したかという「教育力」で評価すべきであり、「全国学力テスト」はその「教育力」を測ることのできるテストにするべきだと主張していることを押さえるクマ。

解答作成上のツボを押さえよう

「全国学力テスト」に対する自分の考えをまとめるためには、まず「全国学力テスト」の利点と問題点を自分なりに考察しておく必要がある。例えば、次のような点を押さえておきたい。

<利点>
  • 学校や教師の努力を評価し、様々な試みの効果を測る資料、一つの基準となる。
  • 子供一人ひとりの学力の全国的な到達度が分かる。
  • 中学や高校受験のための成績資料として有効である。
  • 他校の結果を知ることにより、学校現場の刺激となったり、教員同士の情報交換の契機となったりする。
<問題点>
  • 学校の価値がテストの成績だけで測られるようになる可能性がある。
  • テストの結果だけで学校が序列化され、学校間の競争が激しくなることが予想される。
  • 「全国学力テスト」の成績向上を目的とした画一的な教育が、全国一律的に行われる可能性がある。
  • 学力向上のみに教師や保護者の関心が向かい、小学生や中学生への人間教育がおろそかになる可能性がある。

物事にはプラスとマイナスの両面がある点を明らかにし、それを踏まえて論じることは、小論文の基本であり、説得力ある論を述べるためにも重要だクマ。

自分の意見をまとめよう

設問文の表現は、「全国学力テスト」の実施への賛否を直接問うものではないが、実施に賛成(条件付き賛成を含む)か反対か、自分の立場を明確にして論じよう。賛成・反対のいずれの立場であっても、「全国学力テスト」の利点と問題点をそれぞれ挙げて、意見の根拠とするとよい。その際、学校教育の目的や役割を自分の言葉で示し、本質的な論を深めたい。

解答例は、「全国学力テスト」の導入に賛成の立場であるが、「実施に当たってはその内容を十分検討し、得られたデータを適切に使わなければならない」という主張である。

違う視点で解答をまとめる場合は

解答例と同じく「全国学力テスト」の実施に条件付きで賛成という場合も、「学力」をどうとらえるかによって、例えば「基礎・基本」を問う問題にするのか、「応用力」を問う問題にするのか、などの様々な条件が考えられる。

条件なしで賛成という場合も、資料文で指摘されている以上、「全国学力テスト」の実施で起こりうる問題をどう考えるかを述べる必要がある。

「全国学力テスト」の実施に反対という場合は、反対の根拠、すなわち、利点よりもテストの実施で起こりうる問題の方を重視する理由を述べなければならない。テストそのものの意義を全否定することは難しいであろうから、「全国学力テスト」の結果のみが誤った使い方をされた場合の弊害を考察するとよいクマ。

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解答例

資料文によれば、「全国学力テスト」は「競い合う心」の必要性から考案され、学校評価に利用される可能性がある。学校の質とは無関係な学校の序列化につながる恐れもあるという。このようなテストの実施は、教育にどのような影響を及ぼすのであろうか。

学力向上という視点から見れば、「全国学力テスト」は、子ども一人ひとりの学力の全国的、あるいは地区別での到達度がわかり、今後の学習指導のための資料として有効であろう。また、「全国学力テスト」を複数回実施することにより、筆者が述べているように、学校単位で、また教師個人が教育システムや教授法などの効果を自己診断できるという利点もある。適正な競争は、教師と子ども双方の意欲を向上させるはずである。

しかし、使い方を誤ると、大きな問題を引き起こす危険性がある。結果だけが注目されて学校評価に利用されれば、「全国学力テスト」の成績向上のみを目的とした画一的な教育が全国一律に行われ、学校間での学力競争が激しさを増す危険性がある。教育とは、子ども一人ひとりの可能性や能力を伸ばし、社会で生きていく力を育成することであろう。学力は確かに重要な能力ではあるが、すべてではない。狭い意味での学力以外の力、例えば、対人関係やコミュニケーション力を学ぶことなどがおろそかになる可能性がある。

私は、「全国学力テスト」の導入には賛成である。しかし、実施に当たってはその内容を十分検討し、得られたデータを適切に使わなければならない。筆者も提言しているように、テストは学力変化がわかる形で継続的に実施し、学校の教育力や子ども一人ひとりの努力の結果が判定できるようにすべきである。さらに、教育が画一的な知識偏重に陥らないために、細かい知識の量だけを競うものではなく、思考力や論理性、表現力などの幅広い学力を問う内容にするべきだと考える。

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