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ネット社会での報道において新聞が果たすべき役割について、自分の考えを述べること。
インターネットの普及は、新聞などの既存のメディアにどのような影響を与えるのだろうか。ネット社会での報道において新聞が果たすべき役割について、考察を深めて欲しいクマ。
ポイントは次の2点。
報道における新聞の役割を記事から読み取ろう。本文の第四段落に引用されている福沢諭吉の見解(「新しき事情を探索しこれを記して世間に布告する」「世間の情実を模写して一目瞭然」「新聞紙の報告は速やかを趣意とし、議論公平を趣旨とす」)などに着目すると、次のようにまとめられるクマ。
本文から読み取った新聞の役割を踏まえて、ネット社会における役割を考えよう。設問に「ネット社会での報道において」とあるので、インターネットとの比較は必須である。この論述においては、新聞とインターネット、それぞれの特徴を正しく理解していることが前提となる。
例えば、新聞については次のように長所と短所を整理しておくとよいクマ。
報道における新聞の長所と短所を踏まえた上で、その長所に着目して考察を深めていけば、ネット社会で新聞がどのような役割を果たすべきかが見えてくるであろう。報道において、新聞とインターネットはどのような役割分担をするのが最適なのか、という視点でも考えてみよう。
解答例は、「ネットの報道は正確さや一覧性の面で限界がある。新聞はゆるぎない信念のもとに精選された情報を提供し、その正確性でネットを補完する役割をも担うべきである。」という論である。
一部のインターネット掲示板などがセンセーショナルな情報発信の場となっていることと対比させながら、理性的なメディアとしての新聞の長所を浮き彫りにすることができる。また、高齢などの理由によってインターネットを十分に活用できない人々の存在を指摘し、新聞の存在意義を述べることも可能だ。
さらに、緊急性を要する情報とそうでない情報との区別が最も厳格に要求される局面(災害・事故などの報道)において、さまざまなメディアがどのように役割分担をすべきかを考察しながら、新聞の果たすべき役割を提言することもできるクマ。
民主主義社会では、市民一人ひとりに、日常の生活から国際関係にいたるさまざまな事柄について、主体的に判断し行動することが求められる。報道の使命は、その判断材料となる事実を、迅速かつ正確、そして公平に伝えることにある。
日本ではインターネット利用率が六割を超え、ネットは報道の分野でも大きな役割を果たすようになっている。印刷物である新聞は、迅速性においてはネットに大きく劣る。ネットでは、取材記者がかけつけるより先に、その場に居合わせた人がニュースを提供することも可能だ。また、ネットは個人が簡単に情報発信することを可能にした。ネットを通して、私たちは、新聞やテレビなどのマスメディアが情報発信を独占していた時代には届きにくかった、さまざまな立場の人の声を受け止めることができる。
しかし、ネットでは、情報の正確さが保証されない。個人の情報発信では、取材や検証に限界がある場合が多い。悪意で虚偽の情報が発信される危険性も排除できない。また、あまりにも膨大な情報があり、自分にとって本当に必要な情報を見つけ出せないという事態も考えられる。この点、新聞は、取材による裏付けや、記者・デスク・校閲者ら多くの人々の目を通して記事が吟味されることによって、正確さが確保される。また、取捨選択された記事で、読者は「世間を一目瞭然」に概観することができる。
以上のことから、ネット社会においても新聞が果たすべき役割は大きいと考える。それぞれの新聞社には、ゆるぎない信念と一貫した判断基準をもって取材や編集に臨み、読者に精選された情報を届けることが求められる。さらに、ラジオやテレビと比べても劣っている即時性をネットと競うのではなく、新聞は、ネットにおける報道を正確性で補完し、時にはネットの情報を検証する役割をも担うべきである。