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受験を勝ち抜く12のパワーを身につけよう!

第2回「メンタルトレーニング力」

5月に入り、いよいよ受験勉強も本格始動。合格に必要な第2の力は全力投球する精神力を養うための「メンタルトレーニング力」。
数々の一流プロスポーツ選手のメンタルトレーナーとして活躍する高畑好秀さんに、受験に勝てるメンタルトレーニングの方法をうかがいました。

成功のかげにメンタルトレーニング

常に激しい勝負の世界で戦っているスポーツ選手。彼らを見ていると、もともと一般の人よりプレッシャーに強い人なのだと錯覚しがちです。
けれども実際は彼らも、常に自分の心の弱さやプレッシャーと戦っています。プロ野球の選手の中には、試合前のプレッシャーに耐え切れず、ずっとトイレにこもりっきりという人もいますし、コーチに殴られたことが精神的なショックとなって、体が動かなくなった選手もいます。
そんな中、常にいい成績を叩き出す一流選手もいます。そんな彼らの多くは、日々の練習と並行してメンタルトレーニングもしています。その結果、自分の弱さに打ち勝ち、本番で確実に実力を発揮することに成功しているのです。
彼らが行なっているメンタルトレーニングは、スポーツ選手だけでなく、ビジネスマンや受験生にも大いに役立つものです。どうしてもやる気が出ない、緊張しやすく本番が苦手、成績が悪いと落ち込んで悲観的になってしまう……。このような悩みがある人は特に、メンタルトレーニングがおすすめです。

まずは目標について、もう一度、考えてみる

やる気が出ない人の中には、「やらされている」と感じている人が多いようです。けれども、それでは成績は上がりません。「努力」や「根性」で勉強を無理矢理やっている人と知的好奇心のおもむくままに夢中で楽しく勉強している人とでは、おのずと差が出てきます。
勉強を楽しいと思えない人の多くは、目標が明確でなかったり、自分が本当は望んでいない学校を志望していたりする場合があります。その学校を選んだ理由が「一流の学校だから」とか「先生や親に薦められたから」という、他人が決めた価値観に従っているだけだったとしたら、モチベーションが上がらないのも当然です。
「あの大学は都心にあるから、キャンパスライフが楽しいだろうな」とか、「あの学部に入ったら、自分の夢だった●●の仕事に近づける」といった気軽な理由で構いません。他人の価値観に惑わされず、自分がその学校を志望する理由を明確にしてみましょう。そうすれば自然と勉強にも熱心に取り組むことができるはずです。

自分にとっての「失敗」と「成功」を知ろう

大リーグに進出した日本人選手で、こんな話があります。彼は初めこそいい成績をおさめていましたが、やがて打たれることが多くなり、成績もふるわなくなりました。そのため周囲は彼の大リーグ進出を「失敗だった」と評価しました。けれども、彼にとっては大リーガーになることが昔からの夢で、ヒットを打たれても、いい成績を残せなくても、大リーグのマウンドに立てたことが「成功」だったのです。
失敗か成功かを決めるのは自分です。自分の価値基準で選んだ志望校に合格することが、本当の意味での「成功」なのではないでしょうか。

実践! 簡単にできるメンタルトレーニング

それでは実際に簡単なメンタルトレーニングをやってみましょう。

自分を映画の主人公と仮定して物語をつくってみる

自分を主人公にし、大学合格までのストーリーを作ってみましょう。そのとおりに進む自分を頭に描くことで、成功イメージが具体的になります。今すべきこともクリアになるので、意欲的に机に向かうことができます。

失敗したときもヒーローの発想で

試験で失敗した、志望校は難しいと言われた、学校でイヤなことがあった……。そんなとき、落ち込んでばかりいたのでは、成功は遠のいてしまいます。けれども「自分は映画の主人公だ」ということを思い出せば、大丈夫。おもしろい映画というのは、常にハラハラドキドキ、いろんなトラブルがやって来るもの。主人公は数々のトラブルを乗り越えて、最後にはハッピーエンド……がお決まりです。そう考えれば、目の前のトラブルもハッピーエンドの前のひとつのドラマに過ぎません。「よーし、来たな!」と前向きに受け止めて、乗り越えて行きましょう。

ポジティブ発想のクセをつける

「だからダメなんだ」「自分は頭が悪いから」……。このようにネガティブな発想をする人が成功する確率は、残念ながら高くありません。「ここを覚えたから今度は大丈夫」「次は間違えないぞ」というふうにポジティブな発想のできる人は、どんどん伸びて行きます。ネガティブな発想をしがちな人は、日頃から意識してポジティブな発想に切り替える努力をしてみましょう。ネガティブな言葉を口にしたな、と思ったら、ポジティブに言い直してみるのもひとつの方法です。

 「自分が一番の味方」という発想をもつ

受験に勝つうえで一番、大切なのは、誰よりも自分が自分を信じてあげること。自分だけは自分の味方でいてあげることです。どんなに負荷がかかっても、試練が来ても、自分はきっと乗り越えられる。繰り返しそう思うことが大事です。そのためには、まず自分を好きになりましょう。好きな自分を成長させて高めるためのひとつを勉強ととらえれば、簡単に投げ出したりせず勉強を続けることができるでしょう。

今回のおさらい

  • どんな人にもプレッシャーはある。それに打ち勝つことが大事
  • 「どうしてその大学がいいのか」もう一度、考えてみる
  • 「映画の主人公」になって成功ストーリーを思い浮かべる
  • ピンチもヒーロー気分で受けとめる
  • 常にポジティブな発想を心がける
  • 自分を信じること、自分を好きになることが成功への第一歩
話をうかがった人

写真:高畑好秀

高畑好秀(たかはた・よしひで)

1968年広島市生まれ。早稲田大学人間科学部卒(スポーツ心理学専攻)。日本心理学会認定心理士。プロ野球、Jリーグ、プロボクシングなどのプロスポーツ選手やオリンピック選手のメンタルトレーニングの指導にあたるとともに、企業などでの講演活動を通じてメンタルトレーニングの普及に努めている。
主な著書に『メンタル強化バイブル』(池田書店)、『いざというときに100%の実力を発揮する法』(日本実業出版社)など。

高畑先生の本

書影:自分の力を120%引き出すメンタルトレーニング

一流のプロスポーツ選手やオリンピック選手のメンタルトレーニングを指導してきた高畑さんが、そのこつを一般の人向けにもわかりやすく伝えた本。精神面を鍛えることが実力を発揮するうえでどれだけ大切かが分かります。受験生だけでなく家族も一緒に読みたい本。

『自分の力を120%引き出すメンタルトレーニング』
高畑好秀
1365円
日本実業出版社

取材:水谷美紀 / イラスト:suita

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