ホーム > もっと知りたいAO入試と面接 > もっと知りたいAO入試 > 〜その1〜AO入試ってなに?
AO入試とは「アドミッション・オフィス入試」(アドミッションズ・オフィサー入試などとも言う)の略で、1990年度の慶応大学から始まった日本では比較的新しい入試の方式だよ。名前を聞いたことはあっても、その中身をよく知らないという人もいるかもしれない。AO入試の対策を考える前に、そもそもAO入試とはどんな入試なのかについて、確認しておくクマぁ。
アドミッション・オフィスは、もともとはアメリカの大学で入学する学生の選抜を行う組織の名称なんだ。アドミッション・オフィスによる学生の選抜は、アメリカでは広く行われている一般的な形態だ。
個性の尊重、趣味や志向の多様化といった社会の大きな変化を受けて、この十年ほどの間に、大学では学部や学科の新設や名称変更が次々と行われ、驚くほど多様な学部学科が生まれてきた。一昔前までは、文系ならば文学部・法学部・経済学部・経営学部、理系ならば理学部・工学部・医学部と、ある意味わかりやすかった学部編成は、国際・人間・環境・情報・福祉などの広い分野をターゲットにした学部の急増で、大きく様変わりしている。
選べる学部や専門分野の種類が増えたことは、受験生にとっては嬉しいことだけれど、自分がどの分野に向いているのか、判断が難しくなっているのも事実。そこで、大学側が求める学生像を明確に発信して、今までの入試よりも手間ひまをかけて、大学や学部学科の適性に合った学生を入学させる仕組みが求められるようになったんだ。これがAO入試だ。
日本では、各大学・学部が求める学生像に適しているかどうかを面接などで評価し、成績のみではなく資質・適性も重視した選考をAO入試と呼んでいる場合が多い。学生の能力、個性、主体性、意欲、目的意識などを多面的、総合的に評価することをねらいとした制度で、一般入試・推薦入試とは別枠で、時間をかけた丁寧な書類審査や面接が行われるのが一般的だ。
AO入試で特徴的なのが、学部・学科ごとに示される「アドミッション・ポリシー」(入学者受け入れ方針)だ。これは「こんな学生に来て欲しい」「こんな学生に育てたい」という大学が求める学生像や目指す方向性を明らかにしたもの。大学は受験生がこの方針に適応しているかどうかを見極めて選抜するわけだが、受験生自身も、自分が「大学に入って何を学びたいのか」を明確にした上で、自分が学びたいことが学べる大学かどうかを見極める必要がある。丁寧な書類審査や面接などは、大学と学生のよりよい相性を見出すためのコミュニケーション、いわばお見合いのようなものと言える。
AO入試では、学科試験で測れる学力以外の力を持つ学生も積極的に選抜されることが多く、特技や資格、高校で打ち込んだことや社会活動なども評価してもらえるんだ。しかし、やる気さえあればよいというわけではない。その学部・学科で学ぶための基礎的な学力は必須で、一定以上の評定平均値が求められる場合も多い。基礎学力に加えて、その学部・学科への適性や意欲、目的意識の高い学生が望まれていると言えるだろう。
1990年度に慶応大学ただ1校で始まったAO入試は、その後採用大学を年々増やし続け、2006年度には国公立大学の3割、私立大学では実に6割以上の大学がAO入試による選抜を実施しているんだ。同時に、AO入試による定員枠はほとんどの大学で年々増加しており、募集人数のすべてをAO入試で選抜するところも出てきている。大学数だけでなく、AO入試による入学定員は、今後も増え続けていくと考えられている。
AO入試が増えているのはなぜだろう? 大学受験人口の減少は今後も続くため、大学は、より優秀な学生を確保し、より優秀な卒業生を送り出すために、さまざまな改革に取り組んでいる。その流れの中で、成績が優秀なだけでなく、自大学・学部に適合した学生、また入学後、学部に適応して意欲的に学ぶことができる目的意識の高い学生を少しでも多く獲得したいとの思いがある。意欲の高い優秀な受験生は、各大学にとってノドから手がでるほど欲しい人材なのだ。
受験生にとっては希望の大学を受験する機会が増えることになり、望ましい変化と言える。もちろん、やみくもに受験すればよいわけではなく、自分に合った入試形態を選ぶことが大切だ。
各大学・学部がアドミッション・ポリシーに合った学生を選抜するAO入試では、当然その選抜方法も大学によってさまざまな形をとっている。
出願資格は、その大学、学部が示すアドミッション・ポリシーを理解し、そこでの勉学を強く志望していることが必須条件。推薦入試のように高等学校長の推薦を必要としないので、ある意味とても間口の広い入試といえる。一方で多くの大学では、エントリーにあたって一定以上の評定平均値が受験資格となる場合も多く、最終的な関門としてセンター試験を課す場合もあり、やる気や熱意だけでなく、基礎学力が求められるケースも多いことは注意しておきたい。
そのほかには、何らかの特筆すべき実績が求められる場合が多い。高校や地域社会での活動、その学部に関連する資格、全国レベルのコンテスト・コンクール上位入賞経験などだ。これらは、評価された実績がずば抜けていなくても、その過程で学んだことや、それによる自分自身の成長をきちんと伝えることで考慮される場合もある。
選抜には、エントリーシート(略してESと呼ぶことが多い)・調査書・志望理由書(自己推薦書)・活動記録などを提出させて書類審査を行った後、小論文・総合問題、面接・口頭試問を課す場合や、書類審査の前に「面談」を行い、その後正式に出願書類を提出させ選抜を行う場合などがある。他にも、体験講義を受けてレポートを提出させたり、課題を与えてグループ学習と成果発表、グループディスカッションをさせたりするなど、大学・学部によってさまざまなものが見られる。
いずれにしても、AO入試では、時間をかけた丁寧な選抜が行われるのが一般的なため、出願日程が早くなっている大学が多い。最近では6月前半に出願受付を開始する大学も増え、オープンキャンパスが盛んに実施される夏前や、部活動の引退後には受付が終わっていることもある。AO入試を考えるならば、高校2年生のうちから自分の適性や志望校を見極め、早め早めのタイミングで準備を進めることが必要になってくる。