ホーム > もっと知りたいAO入試と面接 > 大嶋教授に聞く・これからの大学入試 > 〜第3回〜読む力、書く力がより求められる入試に
入試の多様化と簡略化、両面で小論文入試の比重はより高まる。
AO入試や推薦入試の増加にともなって、小論文の試験はまだまだ増える傾向にあります。推薦入試ではほとんどの大学が小論文入試を課していますから。学力試験では見られない飛び抜けた才能のある学生が欲しいというのはもちろんですが、もっと基本的な日本語の力を試すという意味合いもあります。最近では、ゼミに入ってもうまく自分の意見が言えない、レポートや試験を話し言葉で書く、といった日本語の基礎力の低下がしばしば見られます。例え理系の学部であっても、外国語系の学部であっても、大学で学んでいく上で、日本語力、特に書く力と話す力は絶対に必要なのですよ。

また、受験者を確保できず全入に近い状態になる大学では、試験の手間や費用を省くことが予想されますが、そういう時代が来ても、日本語の基礎力を見る小論文だけは課される可能性が高いのです。
そうした小論文に対応するためには、日本語力の育成と小論文に取り上げられるような社会の出来事を最低限知っておくことが必要です。だから新聞は読んでおいたほうがいい、と言うか、読んでおいてほしい(笑)
文章表現力は、新聞や書物を読むのが一番いい勉強になります。ある程度読んでいれば語彙力もつくし、「こんな形で文章というのはまとめればいいんだな」というのがわかるようになります。
最初はどこを読んでも構わないんです。スポーツが好きならスポーツ欄でもいい。好きな分野を中心に、大見出しだけでなく、記事の文章までは読む。そこから少しずつ広げていってくれればいいのです。そういう中で社説やコラムを読めば、まとまった文章というのがどういうものなのか、わかってくるはずです。
最後に受験生のみなさんへ。小論文入試にあたって、漢字を知らなくても打てば出てくるパソコンの影響なのか、何も道具のない試験の場に来ると、ひらがなだらけになってしまう人も見受けられます。また、例えば本学で言えば、だいたい毎年800字くらいの小論文を出題していますが、これくらいの字数をまとめる力というのは、少し練習しておかないとその場でいきなり書くのは難しいものです。手書きで小論文を書くことは必ず自分で練習をしておいてください。
それから、好きなこと、興味を持つエリアを広げて欲しいです。興味を持って読むと、読んだものの中にまた新たな興味を発見して、さらに読むといういい循環ができてくるはずです。そうなると、知識も深まるし、自然に文章表現力も伸びていくのです。
大嶋知之(おおしま ともし)
国立京都工芸繊維大学アドミッション・センター教授。
AO入試、リメディアル教育の専門家として平成12年より現職。大学入試改革の旗手として活躍している。
