ホーム > もっと知りたいAO入試と面接 > 大嶋教授に聞く・これからの大学入試 > 〜第1回〜大学全入時代を向かえ、大学はどう変わるのか
大学に求められるものが変化している。変化の果てに来るものは?
受験人口の減少の問題が、大学に変化を求めています。大学への進学率自体はあまり変わっていませんが、少子化の影響である18歳人口の減少はまだまだ続きますし、景気の回復を受けて高等学校卒の人の就職率が上がっていますから、この傾向はさら強まるとも予想できます。
2007年には、全国の大学の定員の総数と受験をする人の数が同じになる、大学全入時代が来ます。学校を選ばなければ、学生はどこかの大学に入ることは可能なわけです。受験者減の時代は続き、特に定員割れが予想される地方の大学、レベル的に定評があるブランド力のある大学以外の大学、資格などが取れない学科が多い文系の大学などはいっそう厳しい状況に置かれるでしょう。
このような中で、大学としての評価を上げて志願者確保するため、大学は今までの学問をする場所としての役割をさらに深めること、またその他のサービスを提供できるようになることの2つの改革の動きがあります。
まず、大学がもともと持っている学問の場としての役割ですが、学部組織を組みなおし、教え方を組織的に研究して教授法を変えるファカルディ・ディベロップメントを行うなど、大学の「授業の質」を上げていく取り組みを行う大学が増えています。学生にアンケートを取って意見を聞く授業評価や大学職員評価は、今ではやっていない大学の方が少ないくらいです。また、企業との共同研究を行う産学連携も増加しています。
次に、生き残りのために今大学が一番力を入れているのが、就職に関連したサポートの強化です。いい学生を育て、就職に定評があるようになれば、志願者も増えるわけですから。民間企業出身者から就職課の職員を公募をする国立大学や、企業で人事を担当していた人にアドバイザーとして定期的に大学に来てもらう動きのほかにも、インターンシップや就職講座を学内で行うなど、学生の就職に関しては、十年前とは比べものにならない「サービス」を大学が提供しているのです。
このように大学改革の動きは活発です。レベル的に定評のある大学は、志願者が定員割れすることは今のところないため、この2つの改革を平行して進めていくことができます。けれどそうでない大学は、資格の取得や就職に向けてのサポートをより強化して、大学としての評価を上げて志願者を集めようとするかもしれません。
学問の場としての大学、という今までのあり方だけでは、志願者が集まらないという現実があります。大学としての評価を上げるためには、離職率が高く就職できてもすぐに辞めてしまう若者が多い中で、そうならないための指導を在学中から行って企業からの評価を上げることで就職率を上げるなど、今までになかった取り組みが必要になっています。
我々のころの放任といった状態から、今では手取り足取り指導をするようになっています。学生の考え方も変化しています。昔に比べると教員を頼りにする傾向が強いですね。
そうしたさまざまな変化の要請を受けて、大学のあり方、そして意義までもが変わらざるを得ない状況にあると言えます。